2023年7月29日
金属アレルギーとは、金属に対してアレルギー反応が起こり、皮膚や粘膜に炎症性病変を発症する病気です。
肌に金属が触れて起こるイメージがありますが、銀歯でもアレルギー反応が起こる可能性があるのをご存知でしょうか。
金属アレルギーは、金属にただ触れるだけで起こるものではありません。
金属が汗や体液などに触れることによって金属成分「金属イオン」が溶け出し、タンパク質と結合することで体がそれを「異物」と判断し、拒否反応が起こります。
金属アレルギーの治療を行う際には、原因となりうる金属や日用品を特定することが大切です。
金属アレルギーを起こしやすい金属として、銀・銅・パラジウム・スズ・ニッケル・クロム・コバルトが挙げられます。
これらはピアスやネックレス、指輪などのアクセサリーをはじめ、時計、ベルトのバックルなど、日常生活の様々な所に使われており、肌に触れる機会も多いものです。
汗をかきやすい夏は、皮膚表面で金属がイオン化しやすくなるため、金属アレルギーを発症する人が多くなります。
こうした汗による「接触性皮膚炎(かぶれ)」のほかに、銀歯にもこれらの金属が含まれており、金属アレルギーを引き起こすことがあります。
お口の中の銀歯は常に唾液に晒されており、常にイオン化しやすい環境にあります。
毎日金属イオンを摂取し続けることで、体に蓄積されてアレルギーの要因となります。
1970年頃まで一般的に使用されていた「アマルガム」という銀歯は水銀やスズを使用しており、特に金属アレルギーのリスクが高いと言われます。
アレルゲンは体が異物として認識し、過剰に反応することでさまざまなアレルギー症状が出てきます。
症状は急速には現れないことが多く、許容範囲を超えてから発症するため、金属アレルギーは「遅延型アレルギー」とも呼ばれています。
つまり、アレルギーリスクの高い素材を避けることが、最も簡単な対策です。
銀歯で金属アレルギー反応が起きた場合は、以下のような症状が見られます
全身症状(お口以外)
・水疱が手や足の裏などに繰り返しできる
・肩こりが強い
・円形脱毛症
・頭痛
・立ち眩み
・肌荒れ、かゆみ
お口の症状
・歯ぐき、舌がただれる
・歯ぐきが腫れる
・味がわかりにくい
・口内炎や口唇炎が慢性的にある
お口の中に金属があり、上記の症状がある方は、再治療のタイミングで金属から別の素材へ替えてはいかがでしょうか。
既に金属アレルギーと診断されている方も、金属を使用しない治療方法がございます。
お気軽にご相談ください。