2024年4月2日
虫歯の治療をして数年後、また同じ歯に虫歯ができていて治療を勧められた経験はありますか?
過去に歯科治療を行った部位に発生する二次的な虫歯のことを「二次カリエス」「二次虫歯」「二次う蝕」と呼びます。
二次カリエスは主に、詰め物や被せ物の中(下)で進行します。
詰め物や被せ物が割れたり、歪んで適合が悪くなった場合、そこから細菌が侵入し虫歯が進行してしまいます。
二次カリエスは目視での確認が難しく、レントゲンによる検査が必要です。
そのため初期段階で気付きにくく、症状が現れたときには虫歯が進行していることが多くあります。
特に、神経を取る治療をした歯の場合、虫歯が進行しても痛みが発生しないため早期発見が難しいこともあります。
また、一度治療をした部位なので、虫歯が再発生すると神経に達しやすく、中には「気が付いたときには中で虫歯が大きく広がっていて、抜歯せざるをえなくなった」というケースも少なくありません。
二次カリエスを繰り返して歯を削る治療を重ねれば、当然ながら治療範囲も広くなり、歯へのダメージも大きくなっていきます。
被せ物や詰め物で虫歯治療を行ったあとは、「治療したからもう虫歯の心配はない」という油断や安心感からその後のケアがおろそかになりがちですが、治療後の歯はさらに虫歯にかかりやすいものと考えた方が良いでしょう。
歯を失うことを避けるには、日頃から二次カリエスの予防を徹底することが重要です。
虫歯の原因は、歯に付着するプラーク(細菌の塊)内の虫歯菌にあります。
歯と治療した部分の間には必ず段差ができます。
段差にはどうしてもプラークが溜まりやすいので、治療した部分は特に入念に磨きましょう。
また、素材によっては表面に目に見えない穴や凹凸が多くあり、汚れが付着しやすいため注意が必要です。
毎日の清掃を丁寧に行い、プラークを徹底的に除去することが重要です。
治療の方法はもちろんですが、治療に使用する材料選びも二次カリエスの予防には重要です。
例えば、虫歯の保険治療で最も多く用いられるCR(コンポジットレジン)と呼ばれるプラスチックや銀歯では、表面にプラークが付きやすく、欠けや歪みが起こりやすいという特徴があります。
また、目では見えない微細なヒビが発生したり、被せ物を接着するためのセメントの劣化で隙間ができることもあります。
セラミックの場合、プラークが付きにくいだけではなく、汚れも落としやすく非常に劣化しにくいといったメリットがあります。
歯との接着性もとてもよく、隙間が発生しにくいのも特徴です。
選ぶ素材によって費用は変わってきますが、今後の治療回数や負担を考えて慎重に素材を選択しましょう。
フッ素は歯質を強くして虫歯を作りにくくする効果があります。
日頃からフッ素入りの歯磨き粉、フッ素ジェル、フッ素洗口液などの使用や、歯科医院での定期的なフッ素塗布を行うことで、虫歯に負けない歯を作り二次カリエス予防に大きな効果があります。
歯科医院を受診するまで虫歯に気が付かない方がほとんどです。
特に、二次カリエスは自分では見つけにくい傾向にあります。(詰め物・被せ物の中にできてしまうため)
検診時のレントゲン撮影で早期に発見できれば、最低限のやり替えで済むことでしょう。
どんなに毎日のブラッシングを丁寧に行っても、磨き残しは発生してしまいます。
歯周ポケットの内側や歯の間などは、歯ブラシが届きにくく汚れが溜まりやすいポイントです。
初期虫歯であれば、適切な清掃と薬剤塗布により歯の修復を促すことが可能な場合もあります。
定期的に歯科医院を受診して、虫歯の早期発見につなげるとともに、磨き残した歯のクリーニングを受けることが大切です。
過去に虫歯になった歯は虫歯の再発リスクが高まります。
再発の度に虫歯治療を繰り返していると、歯の寿命を縮めてしまい、最終的に歯を抜くことに繋がります。
虫歯治療を終えたあとも油断せず、毎日丁寧にブラッシングを行い、定期的に歯科医院で検診を受けることでしっかりと二次カリエスを予防しましょう。