2023年12月13日
成人の歯の本数は、永久歯28本+親知らず(0~4本)です。
親知らずの本数、状態は人それぞれ違います。
歯茎の中に埋まっていたり、一部しか出ていない状態では、
親知らずがあるのか、正常な向きに生えているのか分かりません。
歯医者でレントゲンを撮ると、歯茎の中の状態も確認することができます。
↑ が親知らずです。
この患者さんは親知らずが3本ありますが、全て歯茎の中に埋まっているので目視ではわかりません。
下顎の1本が横向きに生えており、今後痛みが生じる可能性があるとわかります。
ご自分のレントゲンを見たことが無い方は、かかりつけの歯医者で見せてもらうと良いでしょう。
親知らずが痛いと言って来院される方の多くが、2つのパターンに分けられます。
親知らずの周辺は歯ブラシが届きにくく、目視で状態の確認もしにくい場所です。
歯の周辺や歯周ポケットには汚れが溜まりやすく、菌が繁殖して炎症が起きやすい環境です。
下図のように完全に歯茎から出ていない、歯茎が覆いかぶさっている場合は要注意です!
この場合、歯ブラシで汚れをかき出すことができません。
歯茎の中で炎症が広がり、繰り返し痛みが出ることが多くあります。
特に忙しい時・疲れている時は
免疫力の低下+手入れが疎かになる
ことによって、炎症が悪化しやすくなります。
患者さんからお話を聞くと、年末年始・年度初め・引っ越しや転職で環境が変わった時に親知らずの痛みで来院される方が多く居ます。
たかが炎症と軽く見られがちですが、この状態は歯周病と同じ状態です。
炎症を繰り返す場合、腫れと痛み以外にも、顎の骨を溶かしてしまうという問題があります。
鏡の前で口を開けて、奥歯を観察してみてください。
奥歯と親知らずはとても見づらいと思います。
特に上顎の奥歯・親知らずは残念なことに見えません。
毎日鏡を見ながら歯磨きをしていたとしても、奥歯・親知らずはとても虫歯になりやすい場所なのです。
親知らずの虫歯の怖いところは、手前の奥歯が一緒に虫歯になる確率が非常に高いところです。
初期の虫歯は痛みが無く、痛みを自覚する頃には歯に穴が空いていたり、神経に届いてしまっています。
虫歯が重度になる程治療時間が長くなるので、”奥歯のさらに奥にある”親知らずの治療は非常に大変です。
さらに、虫歯を削って治療した場合、治療に使った素材の寿命が3~5年と短く、定期的なやり替えが必要になります。
大きく上記の2パターンに分けられる親知らずの痛みですが、その他が原因になっている場合もあります。