注意が必要な歯ぐきのできもの | 八王子市大塚の歯医者 入れ歯・インプラント・矯正 あきいけ歯科

注意が必要な歯ぐきのできもの

2023年7月20日

“歯茎”にニキビのような出来物ができることがあります。

お口の中にできる出来物は、口内炎をはじめ様々な種類がありますが、歯茎に比較的多くみられるのが「フィステル」と呼ばれる膿の排出口です。

 

口内炎の場合は1、2週間程度で自然治癒することがほとんどですが、フィステルの場合は自然治癒することはなく、放置することでどんどん悪化してしまいます。

 

フィステルは、むし歯や歯周病など様々な原因により歯の根が炎症を起こし、それにより根の先に膿が溜まることで発生します。

痛みがないため、できていることに気づかなかったり、気づいても放置してしまう方も多くいます。

フィステル自体に問題があるのではなく、フィステルが現れるという事は、その部分の歯が何かしらの炎症を起こしているというサインであり、早めに処置が必要になります。

 

フィステルが形成される原因

・歯の神経が死んで細菌が繁殖している

むし歯が進行して神経にまで感染が拡がったり、外傷などによって神経が死んだりした場合は、神経が炎症を起こします。

何もしない状態でもズキズキと激しい痛みを伴いますが、そのままの状態で放置すると、歯根先端部分から膿が排出されてフィステルが形成されます。

 

・根管治療後に再び細菌に感染した

根管内にスペースが残っていたり、感染物質が残っていたりなど、根管治療がきちんと行われていない場合は、歯根部分で再び細菌が繁殖を起こして膿が出るため、フィステルが形成されます。

また、治療を途中で中断してしまった場合も、のちのちに細菌が増殖して膿が溜まり、フィステルが現れることがあります。

根管治療は歯科治療の中でも特に根気と丁寧さが要求される治療です。

治療期間も長くかかってしまうため、途中で通院をやめてしまう方がいらっしゃいます。

途中で治療をやめてしまうと、治療期間がさらに長くかかってしまうことになるので、最後まで通うようにしましょう。

 

・治療の際に歯根部分に穴が空いた

根管治療の際など、処置中に根管に穴が空いてしまうケースがあります。

そのような場合は、経年によってその部分から細菌が感染し、膿が排出されるため、フィステルが形成されます。

 

・歯根破折

神経を抜いた歯には栄養が供給されなくなるため、脆くなってしまいます。

そのため、食いしばりや歯ぎしりなどで強い力がかかると、歯根にひびが入ったり割れる「歯根破折」が起こりやすくなります。

歯根破折が起こった場合はそこから細菌が侵入して歯の内部で繁殖し、膿が溜まってしまうため、フィステルが形成されます。

 

・歯周病

歯周病が進行した場合、その歯周病でできた膿は大抵歯周ポケットから出てくることが多いのですが、歯周ポケットが深かったり歯周ポケットの入り口が閉じてしまったりすると、膿の出口がなくなりフィステルができます。

歯周病が原因のフィステルの場合、溜まった膿の袋が大きくなり顎の骨と歯根を溶かしています。

 

 

フィステルは潰すと治るの?

フィステルは、ニキビのように白くプクッと膨らんだ形状をしており、指で押すと白っぽい膿が出ます。

「潰して膿を出したら治った」とおっしゃる方もいますが、フィステルを潰してたまった膿を一時的に外に出したとしても、歯の内部トラブルが治ったわけではないため、また同じ部分にフィステルは繰り返し発症します。

 

むしろ、フィステルを潰してしまうとそこから細菌が入り込み、更なる細菌感染を引き起こしてしまう危険性があります。

万が一フィステルが潰れてしまった場合はうがい薬でうがいをするなどしてお口の中を消毒し、なるべく早めに歯科医院を受診するようにしてください。

 

フィステルを治すためには、膿を出している原因を改善しなければなりません。

その為、歯の根の治療(根管治療)や抜歯、歯周病治療、外科治療などを行い症状の改善を図ります。

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